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鉄道研究会 書籍出版記念インタビュー


12月中旬「鉄ちゃん鉄子の面白すぎる鉄道雑学の本」という書籍が書店に並んだ。
それを執筆したのは、慶應義塾大学の鉄道研究会である。
書籍の出版を記念して、鉄道研究会部員の池谷隆明さん(文3)・古川瑞樹さん(理3)・菊田武さん(文2)にお話を伺った。

日常の移動を楽しんで欲しい

――出版に至るまでの経緯を教えてください。

昨年の12月頃、出版社の方から打診を頂きました。数年前に早稲田大学の鉄道研究会が鉄道の雑学を集めた本を出版し、そこそこ人気が出たんですね。
で、我々も「慶早戦」ってことで対抗するってわけじゃないですけど、力を入れて作ればかなり良い本が作れるのではないかなと思って。
この本を執筆する上で目標としたのは、マニアの方のみではなく一般の読者の方にも「鉄道」に興味を持ってもらい、普段の通勤・通学であったり鉄道旅行をもっと楽しんでもらいたいってことですね。
いつも何気なく目に映っていた光景も、「実はこういう意味があったんだ!」って知ることが出来たらかなり面白くなると思います。

――編集中に苦労されたことはありますか?

出版社の方から「300個ネタを出して」と言われていたんですけれども、200個ぐらい出したところでもう出ない状態になってしまっていて。それからが一番大変でしたね。
他の部員と話し合って「これ面白いよね?」といったことをとにかくメモしたり、旅行中もネタを探すのに必死だったりで……最後は「乗り鉄*1」・「旅鉄*2」ががんばった感じです(笑)。

*1乗り鉄:列車に乗ることそのものを趣味とする人
*2旅鉄:列車に乗って旅行をすることを趣味とする人。上記「乗り鉄」との境界線は極めて曖昧である。

伝統と実績に培われた活動

――普段はどのような活動をされていますか?

活動日としては週1回例会をやっています。そこで旅行の計画を立てたり、学園祭の展示の準備について話し合ったりしています。
長期休暇になると、年3回ぐらい旅行に出かけます。最近は鉄道会社さんにお願いして、列車を丸々貸し切って車窓を楽しんだり、どんちゃん騒ぎを列車内で行ったりしています。
「そんなこと出来るの!?」と驚かれたりするのですが、思ったよりあっさり貸してくれることが多いですね。狙い目としては地方の第三セクター鉄道*3がオススメですよ。
あとは部員同士で旅行に行ったりということは数え切れません。鉄道研究会ということで基本的に旅好きなメンバーが集まっていますからね。
その上に全国各地から人が集まっているので、部員の趣味の幅はかなり広がっていきますね。

*3第三セクター鉄道:国や地方公共団体と民間が合同で出資・経営する鉄道。旧国鉄やJRの不採算路線を引き受け、地方の足を守るために設立された事業者が多い。

――「趣味の幅」といいますと?

「鉄道」の愛し方は人それぞれで、写真を撮るのが好きな「撮り鉄」であったり、乗車するのが好きな「乗り鉄」であったりというのは有名ですね。
しかしそれだけではなく、「えっ?さすがにそれはどうなんだろ……」と最初は思ってしまう分野に興味を持っている部員もいるわけです。
でもそれは最初だけですね。だんだんその人の趣味が分かってくるといいますか、お互いに影響されあってどんどん知識が深くなっていく感覚ですね。
鉄道ではないんですけど、エレベーターに乗るだけですぐ会社と製造年月日が分かる人までいますからね(笑)。

――来年(09年)で鉄研創立75周年を迎えるということを伺っておりますが。

慶應義塾の歴史の半分ぐらいですよね。
実は「鉄道研究会」という名前自体、今ではポピュラーになっていますが私たちの団体が一番最初に名乗ったんです。
単に歴史が長いというわけではなくて、「タモリ倶楽部」の電チラ選手権*4に出演の経験や、TVチャンピオンの「新幹線王決定戦*5」で優勝した先輩もいます。
日本に誇れる伝統と実力、そして趣味の幅の広さを兼ね揃えていると自負しています。

*4電チラ選手権:街の中から電車がチラリと見える場所の映像を撮影し、そのチラリズムの美しさを競い合う競技。各大学鉄道研究会の対抗形式で行われた。
*5新幹線王決定戦:新幹線についての知識を競い合う企画。駅でのクイズに答えたり、どれだけ早く全ての種類の新幹線の車両に乗れるか、といった競争があった。

――歴史が長いということで、OBとの結びつきはどのような感じなのでしょうか?

三田祭が終わった後に普通のサークルだと現役生の飲み会にOBが参加するといった形になるかと思うんですけど、うちはOBが主催する飲み会に現役が招かれるんですよね。「お店予約したけど、何人連れてくるんだ?」みたいな(笑)。
もちろんそういった場には年配の方もいらっしゃるので昔の鉄道の話を聞けたりですとか、みなさん興味を持っているジャンルがてんでバラバラなので「テツ」の見識を広めるには最高の場所ですね。

帰省の友にぜひ一冊

――「塾総Web」の読者の方にメッセージをお願いします!

日吉駅の上の天一書房にも並んでいるので是非買ってください!年明けには日吉の生協で鉄道研究会がオススメする本のコーナーを設置していただくつもりですので、そちらも是非お立ち寄りください。
また、きっぷのお得な買い方の記事も掲載しているので、読んでもらえれば年末の帰省の時の電車代ですぐにモトは取れますよ(笑)。


書籍情報:
慶應義塾大学鉄道研究会(2008)
『鉄ちゃん鉄子の面白すぎる鉄道雑学の旅』河出書房新社
定価540円(税込)→amazon

リンク:
鉄道研究会ホームページ:http://krc.w-x.jp/



記事担当:田前甫・藤野能久・襖田英和 (取材日:2008年12月26日)
掲載:2008年12月28日